なぜ人はいつも冷静ではいられないのか ~和菓子屋店の親子に思うこと~
娘を絞首して、自らも命を絶った。
残された者の思いは如何に。
なんでそんなことをしたんだ
そんな声が聞こえてきそうな気がする。
いや、毎回なにかしらの事件が起きるたび、
私達は首をひねる。
だが、それは私達が冷静でいるからだ。
人はだれでも、怒りに、悲しみに我を忘れてしまうことがある。
自分は大丈夫だろう、
と思っていても、感情に支配され、
いうべきでないこと、するべきでないことをしてしまうことは、
往々にしてあることだ。
問題は、ここから。
支配されているなりに、自分をコントロールするにはどうしたらよいのだろう。
スターウォーズをご存知だろうか。
アナキン・スカイウォーカーという青年は、
愛する妻の将来が暗いことを知ったとき、
あらゆる手を尽くして救おうと努めた。
その結果、上司であるオビ=ワン・ケノービに従わず、
ジェダイという組織の崩壊を招いた。
そして、暗黒面に堕ちた。
彼の行動のきっかけは善である。
だが、結果として仲間を裏切り、
自分の力を過信した結果、
自分をコントロールできなくなり、
全てを破壊してしまった。
結局、愛する妻パドメも失ってしまった。
どれだけ鍛錬を積んでいても、
きっかけとなる罠はいたるところにあるのだ。
この和菓子屋のケース、何がきっかけだったのかはわからない。
だが、過剰な力が不幸な結果を生んでしまったのだろうと、推測する。
自分が正義だ、と思うとき、
人は過ちを犯す。
正義というものは、絶対的なものではないし、
どちらか一方が完全に正義ということはまずありえないことだ。
冷静さを失わないために必要なことは、
自らを信じすぎないことである。
自分を愛して、人を愛しても、
人は過ちを犯してしまうのだから。